JOURNAL

次のスタンダードをつくる。

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機能を起点に形をつくり、フィールドでのテストを重ねて完成した「Mari Roll Top」。前編では、その誕生と独自のデザインに込められた考えを紐解きました。

後編では、このバックパックを手に取ってほしい人、完成後も続く改良への姿勢、近い容量を持つ「Juheul」との違い、そしてLeeさんが思い描く次のスタンダードについて聞きます。

ULの世界へ踏み出す、最初の一歩に

NMG

ブランドのシグネチャーとも言える「Mari Roll Top」ですが、どんな人におすすめしたいですか。

Lee

デイハイキングや1泊程度の山行を通じて、UL(ウルトラライト)の世界へ一歩踏み出そうとしている方に使ってほしいですね。その人にとって、次の楽しみ方へ進むための良いガイド役となるバックパックになれば嬉しいです。

  • Mari Roll Topのフィッティングを調整するハイカー
  • Mari Roll Topを背負って歩くハイカー

オープンなMari、機能的に仕切られたJuheul

NMG

CAYLのバックパックには、容量の近いモデルとして「Juheul」もあります。2つには、どのような違いがありますか。

Lee

「Mari Roll Top」は使う人を選ばず、幅広い場面で活躍する、オープンで開放的な雰囲気のバックパックとして設計しています。中の空間を自由に使えるので、パッキングのスタイルや背負ったときの雰囲気が人によって異なる。それを見ているのも面白いですね。

一方の「Juheul」は収納スペースを細かく分け、ファストパッキングを想定してトルソー(背面長)を少し短めにしています。欲しい場所へ荷物を仕分け、すっきりと収めることができる。よりアグレッシブな山行スタイルに向くモデルです。自分がどのように山を楽しみたいかで選んでもらえたらと思います。

  • Mariを背負うハイカー

    Mari

  • Juheulを背負うハイカー

    Juheul

完成ではなく、使いながら進化する

NMG

「Mari Roll Top」は、これからも進化していくのでしょうか。

Lee

アウトドア製品に、完璧なものはないと思っています。リリースした後もフィールドテストを続け、改善できるところはないか、どうすればさらに良くなるかを考えています。

ただ「Mari Roll Top」は、シンプルで、山だけでなく旅や日常でも使いたくなることを大切にしているモデルです。その性格を変えるような大きな変更は、今のところ考えていません。

一方で、ポケットの素材や構造を見直したり、ショルダーハーネスや背面パネルに改良を加えたりする余地はあります。Mariらしさを保ちながら、さらに使いやすい次のバージョンにも挑戦してみたいですね。

  • ショルダーハーネスのフィット感
  • Mari Roll Topを背負うハイカーの正面

自然と手が伸びるものから、次のスタンダードへ

NMG

これからのことについても伺います。Leeさんにとって、「良いバックパック」とはどのようなものでしょうか。

Lee

やはり、一番よく使うバックパックこそが「良いバックパック」なのだと思います。自然と手が伸び、どんな場面でも多用途に活躍してくれる。そんな相棒のような存在が、本当に優れたバックパックと言えるのではないでしょうか。

NMG

今後は、どのようなバックパックをつくりたいと考えていますか。

Lee

特定のシチュエーションを想定した、よりマニアックなバックパックを開発したいですね。そして、今はマニアックに見えるその仕様が、これからのスタンダードになっていく。そんな未来を先取りするプロダクトになれば面白いと思っています。

使う人の日常に自然となじむものをつくりながら、まだ一般的ではない山のスタイルにも目を向ける。CAYLはフィールドで得た実感を頼りに、次のスタンダードを探し続けています。

フィールドでMari Roll Topとともに佇むハイカー

Mari Roll Top ラインナップ

サイズはスタンダードとSMの2種類。スタンダードは約27–32L・背面長約470mm、SMは約26–30L・背面長約450mmです。ハリ感と防水性を備えたX-Pac、しなやかさと強靱さを備えたGrid/B-Grid、素材を組み合わせたMixから選べます。

Mari Roll Top

Mari Roll Top SM

CAYL

ブランドプロフィール

2011年にイ・ウィジェが始動したソウル発のCAYL(ケイル)。登山やランに精通したデザイナーの経験が息づき、高機能素材による軽量性や対候性といった多彩な機能美と、ミニマルで洗練されたデザインを両立しています。「Climb As You Love」を掲げ、街でも山でも使える高い実用性が、現代の日常生活から過酷なフィールドまで、あらゆるシーンに柔軟に対応するアイテムを発表し続けています。

Writing: Osamu Ishii